大さん橋国際客船ターミナル
2002年竣工。横浜港大さん橋の先端に立つ国際客船ターミナル。世界41か国660作品から選ばれたFOA(Foreign Office Architects)の設計で、波打つウッドデッキの屋上は24時間開放の公共空間になっている。
- 用途
- オフィスビル
- エリア
- 横浜市中区
- 竣工
- 2002年
- 階数
- 地上2階/地下1階
- 高さ
- 15m
- 延床面積
- 約34,732㎡
- 開発
- 横浜市港湾局
- 設計
- FOA(Foreign Office Architects)
港先端の波形、地形になった屋上
神奈川県横浜市中区海岸通。横浜港のベイエリアを一望するその突堤の先端に、大さん橋国際客船ターミナルは2002年に竣工した。地上2階・地下1階、最高高さ約15メートル、延床面積約3万4700平方メートル。数字だけを並べると平凡に見えるが、建物の正体を知ると驚く。長さ約430メートルに及ぶ巨大な構造物はビルというよりも「丘」に近く、波打つウッドデッキの屋上は24時間誰でも立ち入れる都市の広場として機能している。内港に接岸した大型客船が正面に迫り、横浜港のスカイラインをパノラマに見渡せるこの屋上は、海風の中を自由に歩き回れる開放感で知られる。港湾施設でありながら市民の散策路でもある二重の役割が、この建物を横浜屈指の公共空間にしている。
世界41か国660点のコンペから生まれた設計
この建物の原点は1994年から1995年にかけて行われた国際建築設計競技にある。世界41か国から660作品が応募した、当時日本最大規模の公開コンペだ。最優秀案として選ばれたのは、ロンドンを拠点とするFOA(Foreign Office Architects)が提出した「庭港(にわみなと)」案だった。設立直後で国際的にはほぼ無名だった30代の二人組、アレハンドロ・ザエラ・ポロとファッシド・ムサヴィの受賞は、当時の建築界に驚きをもって受け止められたとされる。
FOAの設計の核心にあるのは「折板(フォールデッドプレート)構造」だ。三角錐を組み合わせた独特の鉄骨架構によって床・壁・天井が一続きの曲面として設計されており、従来の柱と梁という概念が事実上消える。その結果、内部には柱のない広大なホール空間が生まれた。屋上ウッドデッキにはブラジル産の高耐久硬木「イペ」が使われた。比重が約1.1と非常に重く耐火・耐腐性に優れるこの木材は、海上環境にさらされる屋外仕上げ材として的確な選択だ。建物を支える鋼管杭は最深約56メートルに達し、埋立地の軟弱地盤に485本が打ち込まれている。折り紙から着想を得た折板の幾何学が、港の先端でかくも大らかな公共空間を生み出したことは、建築的な発見といってよい。
まとめ
2002年竣工、地上2階・延床面積約3万4700平方メートル・最高高さ約15メートル。大さん橋国際客船ターミナルは高さよりも長さと開放感で語られる稀有な構造体だ。折板架構が生む無柱の大空間と、波をかたどった屋上広場の開放感は、単なる港湾施設を超えた都市的公共空間の可能性を示している。みなとみらいからの遊歩道を歩いて突堤の先端へ向かうと、対岸の横浜ランドマークタワーが存在感を増す。横浜を訪れる際のホテル探しには楽天トラベルをお役立てください。
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参考・出典
- 横浜港大さん橋国際客船ターミナル公式サイト 建築について https://osanbashi.jp/about/architecture
- 清水建設 施工実績 横浜港大さん橋国際客船ターミナル第1工区(延床面積34,732m²・建築面積27,270m²・最高高さ約15m・地上2階地下1階・鋼管杭485本)https://www.shimz.co.jp/works/jp_har_200211_yokohamakou.html
- 建設通信新聞Digital 横浜市公共建築シリーズ第37回 https://www.kensetsunews.com/web-kan/743888
- 建物全長は430mと450mの双方の記述あり。本文は控えめな値として約430mを採用
- 座標: Wikidata Q3518430(大さん橋)
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